






このバーでは、詩を、お出ししているのですーー
この本は、詩のアンソロジーであると同時に、犬のマスターとそのバーを訪れる「ぼく」との対話の物語でもあります。忘れてしまっていた大切なこと、忘れてしまいたい悲しいことを、詩は明らかにしてくれるのかもしれません。
「今」にちゃんと存在するために手渡される、勇敢でやさしい言葉たち。31篇の詩をめぐるストーリーがしずかに胸に染み込みます。
"いちどだけ、なにもかもが可能で、たやすいって信じた。なのに、あの君主のようになにかを壊す勇気ももたず、うしなうことばかり恐れたせいで、かけがえのないものをすべてなくして、ここにいるとおもった。"
発行:講談社
発行年:2022年
サイズ:四六判変型
ページ:192p