なぎ町小学校5年生の平井令と、トロイガルトの独房に暮らす死刑囚のレイン。ふたりの少年の夢と現実、死と生が交錯し、重なり、やがて希望を見つけだしていく再生の物語。誰もが感じたことのある変化と不安、そして自分自身のこと。大人になったらすべて忘れてしまうけれど、身体のどこかで憶えているその場所。長い道のりの中できっと私たちを助けてくれます。 「おもい出したよ。あれは、夢で、鳥かごみたいなばしょに閉じこめられて、しんでいこうとしていたぼくを、呼びつづけてくれた声だったーー」 夢の淵のようなきれいな青と黒の挿絵は、花松あゆみさんによるものです。 発行：ブロンズ新社 発行年：2022年 サイズ：188 × 128 mm ページ：80p