








出会ってからずっと愛する人を撮り続けた写真家、古屋誠一さん。クリスティーネと行ったボローニャへの初めての二人旅と、彼女がこの世を去る前に「遠くへいきたい」「二人になりたい」と言って出掛けたグラーツへの最後の旅。外国語ということのせいだけではなく、苦しみの奥底を語り合えるような言葉を持っていなかったと振り返る作者の想いと、今にも消えてしまいそうな彼女の笑顔が交錯します。
曇天に霞む景色、微かに香る潮風、抱えきれない感情を内包した彼女の表情。最初と最後の旅の二人の記憶が綴じられたこの本は、いつまでも続くエンドロールのようです。
発行:CHOSE COMMUNE
発行年:2022年
サイズ:165 x 244 mm
ページ:192p