





タイ東北部のイーサン地方で育った映像作家・美術作家、アピチャッポン・ウィーラセタクン。輪廻、精霊、民族、前世、記憶、自然…などのキーワードに包まれる数々の映像作品。彼が作品世界で何を描こうとしているのか、映画論、美術、人類学を軸に読み解きます。
病んでしまった自然の体への療治、歪な政治への抵抗、名付けることの暴力への厭忌。
性別、生死、人と獣、すべての境界は霧散し、仄暗く湿度の高い気配を纏う。美しく不可解な、アピチャッポンの映画を観た後には、腹の奥底が満たされたような気持ちになります。
発行:フィルムアート社
発行年:2016年
サイズ:A5判
ページ:352p