




小森はるか監督・映画「息の跡」公式パンフレット。
岩手県陸前高田市。
広がる地平にぽつんと佇む一軒の種苗店「佐藤たね屋」。
自宅件店舗を津波で失った佐藤貞一さんは、自力でプレハブを建て、営業を再開しました。また、独習した英語で自身の体験を綴り自費出版も行なっている佐藤さん。英語だけでなく、中国語、スペイン語でも手記の執筆を続ける彼の胸の内には、どんな想いが広がっていたのでしょう。自身の文章を読み上げる佐藤さんの声が、力強く壮大に響きます。
刻一刻と変わってゆく町の風景と、人びとのひたむきな日常。真摯でぬくもりのある小森さんのまなざしが捉えた、唯一無二の記録です。
「何もかも津波で壊滅してしまって呆然と人は残る。そのとき人はどうしなくちゃいけないのかってなると、まずは心に希望の種を。ーーこれはたね屋の念仏だ。呪文のようなものだ。だからこれはバイブルでもあるんだね。生き残った人のバイブルとしても書いてるんだ。津波の記録としても書いてるんだ。ーーだからスペイン語でも書くんだ。」
発行年:2017年
サイズ:178×257mm
ページ:30p