文筆家・大竹昭子さんのプライベートプレス〈カタリココ文庫〉の対談シリーズ。今号は写真家・畠山直哉さんとの対談、そして、すぐれた文章家でもある畠山さんの随筆「心の陸前高田」が収録されています。
震災によって大きな被害を受けた故郷の陸前高田への想い、パンデミックという新たな出来事を通して見つめる社会への懸念。性急な社会の動きに翻弄されることなく、「出来事」以降の時間を自身に内包し、粘り強く思考をつづける畠山さん。その真摯で懐深い切実な哲学は、私たちの鬱々とした感情に光をあて、優しく背中を押してくれます。
「僕は二〇一一年の大津波のことを、その十年分の時間を抱えたまま思い出したいんです。」
発行:カタリココ文庫
発行年:2022年
サイズ:文庫版
ページ:85p