「目標はあるが、道はない。われわれが道と呼んでいるものは、ためらいにほかならない。」
「わたしが生涯やってきたのは、生涯をお終いにしたいという気に、抵抗することだった。」
常に名状しがたい不安と絶望に満ちていたカフカは、まるで日常世界を闘っているようでした。しかし、その闘いこそが彼に深い実存をもたらしていたかもしれません。罪、苦悩、希望。誰も訪れたことのない自己の内側へ入り込み、その耐えがたい迷宮の情景を物語ることで生き延びたカフカが残した、鋭敏で硬質なことばの群。マックス・ブロート版全集の「田舎の婚礼準備」「日記」の巻からアフォリズム、比喩、生活表明についてのテキストが訳者によって編まれた一冊。
翻訳:辻瑆
発行:白水社
発行年:2024年
サイズ:四六判
ページ:250p