






本をひらくと、しずかになる。
ざわざわしていたのが、うそみたい。
本とわたしは、みつめあう、さぐりあう。
わたしが本を、本がわたしを、もとめている。
だれもしらない、ひみつのできごと。
本は、本を読むことは、波立つ感情をあっという間に包み込んで、いつもの平坦に戻るのを助けてくれる。孤独で哀しみに満ちた膨大な時間を過ごす時にも、忘れていた場所やしまい込んでいた感情を思い出す時にも。
山元伸子さんの短い文と狩野岳朗さんの絵が生む穏やかで静かなハーモニー。本を読む、その孤独な行為の力と喜びを称える一冊です。
発行年:2021年
サイズ:152 ×210 mm
ページ:30p
糸綴じ手製本/リソグラフ/オフセット印刷
*限定250部