






歯車が軋み、機能不全に陥り、どんどん先行きが不透明になっていったこの国の30年間。昭和・平成・令和、3つの元号の中で懸命に模索した人びとの軌跡と共に、あらゆる角度から時代を見つめます。
わたしたちに未来のビジョンが描けないのは、過去の体験を忘れてしまったから。すぐそばの過去、「昨日の世界」を知ることで見えてくる未来へのヒントが、微かな光としてここに記されています。
"私たち人間は、これからも世界の主人公でいたいだろうか。ーー決めるのは、過去からの声を聴いてから。ここに至るまでに、私たちが「なしたところ」を知ってからでも遅くはない。"
「歴史学者として著す最後の書物」と與那覇さんが語る
渾身の一作。必携です。
静かな青色がうつくしい表紙写真は、志賀理江子さんによるもの。震災後10年を経た岩沼海岸(宮城県名取市)の風景です。
発行:文藝春秋
発行年:2021年
サイズ:四六判
ページ:560p