土と生命、宇宙と精神、そして自らの手が交じり合う壮大なスケールで描かれた宮沢賢治による至高の芸術論「農民芸術概論網要」。
本論に加え、「農民芸術」の他二編、「雨ニモマケズ手帖」「詩ノート」などから60ほどの詩編を採録。さらに精度を増して編まれた賢治の新しい選集です。
社会への警笛をならしながらも農民である確かな誇りを持って論じられた芸術論は、混迷の現代に一層の輝きを放ちます。華奢で今にも折れてしまいそうで、けれども揺るぎなく豊かな賢治の精神性が、今こんなにも頼もしい。
「結論
われらに要るものは銀河を包む透明な意志巨きな力と熱である」
生命力みなぎる赤い装画のタイトルは「血液の中の海」。
絵本作家ミロコマチコさんによるものです。
発行:八燿堂
発行年:2021年
サイズ:四六判変形
ページ:112p