実現するのが困難で常に批判にさらされてきた民主主義。ポピュリズムや強権的な政治手法の蔓延に加えCOVID-19の流行が追い討ちをかけ、ますます視界不良に陥っていく社会。
そんな状況下で書かれた本書は、古代ギリシアでの誕生から現在に至るまでの民主主義の歴史を辿りながら、その制度と性質について丁寧に分析しています。
民主主義とは「参加と責任のシステム」であると示す著者の宇野さん。批判に開かれ、常に自らを修正していく民主主義が、少しずつでも前に進んでいくことを信じて揺るがない姿勢は、明るく頼もしく感じます。
「歴史のなかで大きく変質し、ひどく曖昧になってしまった部分もあるけれど、またその名の下に多くの過ちがなされたのも事実だけれど、民主主義はそれでもなんとか生き延びてきた、そのことを素直に良かったと思うのです。民主主義には、歴史の風雪を乗り越えて発展してきた、それなりの実体があるのです。」(おわりに)
発行:講談社
発行年:2020年
サイズ:新書版
ページ:280p