






日本から飛行機で15時間ほど向こうのドイツの首都・ベルリン。
街の穏やかさと発展具合、多様さや優しさ、それぞれの生命が生きていく時間の質を大切にしているところに心地よさを感じて、ベルリンに住まうことを決めた漫画家の香山さん。コミックエッセイ第2章は、ベルリンの地下スペースのお話です。
ベルリンの街でそれなりに生きている著者の、日常の小さな発見や思考、まわりの友人たちや社会とのかかわりのことを、変わらずに優しくニュートラルな視点で描いています。へんてこな姿の登場人物たちもだんだん増えてきました。深くうなずいたり、少し羨ましく思ったり、なんだか泣きそうになったり…。
読むとあたたかい気持ちが込みあげる、元気をもらえる移住記です。
「公共空間は本来、市場のルールの外側にあった。利用者が少なくてもバスは運行し、売れない本でも図書館に置かれる。人間が市場の外で過ごし、市場ルールでは出会えないものに出会い、発想しにくいことを発想し、すこし違った人間に変化する。それは実は、市場にとってもいいことなはずだと思う。」
発行:イーストプレス
発行年:2020年
サイズ:B6判変型
ページ:224p