非常時というかけ声のもと、ますます加速していく同調圧力。
出口のない不安と息苦しさが増していく中で、わたしたちは、どうしたら豊かな「個人」を保っていくことができるのでしょう。
梨木さんの、控えめでありながら強固な精神が美しい言葉で綴られているこの本は、自分で自分の意見を作り上げていくときの判断材料となり、道しるべとなる、優しくも頼もしい一冊です。
「自分の気持ちにふさわしい言葉を丁寧に選ぶという作業は、地味でパッとしないことですが、それを続けることによってしか、もう、私たちの母語の大地を再び豊にする道はないように思うのです。ーー群れのコミュニケーションの大きな柱は、やはり言葉なのです。」
発行:岩波書店
発行年:2020年
サイズ:B6判
ページ:80p