『この病のグロテスクな皮肉は、感染した人物が、
症状が悪化すればするほど美しくなることだった。』
と始まる疫病時代の寓話集。
影をなくしてしまった少女、
放棄された映画セットに住むエイリアン、
ガラスに変わった猿たち、
次々に覆われていく彫像、鏡、木々、建物。
出口が見えない息苦しさ、腐敗した臭いが都市全体を(あるいは全世界を)覆いつくす、不安と焦りと理不尽が混ざり合った、瘴気立ち込める一冊です。
収められた12本の短い物語は、2020年4月5日から5月11日にかけて、都市封鎖状態が続くニューヨークで、作家のバリー・ユアグローが「正気を保つため」に書かれました。
翻訳:柴田元幸
発行:ignition gallery
発行年:2020年
サイズ:A6判
ページ:44p