せんだいメディアテークでの展覧会「ものの,ねむり,越路山,こえ」の記録写真と過去の作品を掲載した、青野文昭さんの作品集。
近年〈なおす〉といういとなみの意義について興味を持っていたという青野さん。それは、街で見かけるコンクリート壁の修復跡から、人間とその社会、共同体、人体や生命体、細胞といった次元にまで派生していきます。
静まりかえった展示空間のあちこちに人の気配が立ち込めていたのは、「なおす」という人間の行為性が気配を形づくっていたのかもしれません。
「秩序」が生き生きと存続するためには、つねに「外部」の影響のもとに「ゆらいで」いなければならないこと、そして「なおす」いとなみは、広義に考えれば、内と外、秩序と秩序ならざる領域の影響、交流に深い関係があることが示されるだろう。(青野文昭/修復論)
ザラザラと壁のような手触りをした丁寧な造本も魅力です。
発行:T&M Projects
発行年:2020年
サイズ:A4 変型判
ページ:192p