フランスの画家・バルテュスが11歳の時に描いた、仔猫のミツとの日々。
ベッドでもキッチンでも、おでかけのときもいつもいっしょにいたバルテュス少年とミツ。
太い筆でぐいぐい描かれた一枚一枚には、少年とミツが過ごした季節、共にあることの喜びや嬉しさ、喪失の悲しみといった、人間のもつ原初の感情があふれています。
巻頭には、詩人のR・M・リルケによる序文が収録されています。
「喪失は所有を終わらせると言いたければ言ってもいい。喪失は所有を確固たるものにする。突き詰めればそれは第二の獲得にほかならない。」
「きみだってそれを感じていたね、バルテュス。
もうミツの姿が見えなくなってから、きみは彼をもっとたくさん見るようになった。」(序文より)
発行:河出書房新社
発行年:2011年
サイズ:B5判変型
ページ:112p