






「みなさん、こんばんわん。月曜夜九時。〈レディオ ワン〉の時間です。」
思いがけず言葉を話せるようになった犬のジョン。そんなジョンがラジオのDJになって、リスナーからのお便りを読んだり曲をかけたり。物語は、ジョンと人間たちとのエピソードを追いかけながら、大きく広がっていきます。
「だれもが、いつでも、ひつようなひとと、いっしょにいられるわけじゃない。
子どもも、にんげんも、いぬも。それはおなじことだ。」
悲しいことはなくならない。
それでも、その未来は悪くないと信じたい。
ジョンのことばが頼もしいです。
『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』の著者、斉藤倫さんによる、あたたかい日射しような一冊です。
発行:光村図書
発行年:2019年
サイズ:四六判
ページ:152p