







物理学者による世界のふしぎについての22話。
1日の長さについて
世界の中心にある巨大な暗闇について
真空の実在について
思い出されることのない夢について
難易な科学の印象とは遠く離れ、タイトルだけでも惹かれるこの本は、詩情とロマンに満ちた文体で神秘的な宇宙空間の姿を明晰に紐解いています。各章の冒頭ページにある秀逸な引用は、吉田一穂の著作から。
「世界は美しい。何となればリトミックな生命の表現が、生活があるからである。世界は唄つてゐるやうだ。縦ひ彼処の世界が私のために悲しい生活の継母であつたとしても。」(吉田一穂/新約)
発行:朝日出版社
発行年:2020年
サイズ:四六判変型
ページ:192p