沖縄県那覇市で生まれ育った比嘉ツル子さんは現在93歳。この本には、ツル子さんが沖縄戦を生き抜いた小学校6年生のころのお話が、孫との対話によって綴られています。4人きょうだいの末っ子のツル子さんは5歳で母親を亡くし、小学6年生の時に父を亡くし、兄たちは兵隊に、姉はお嫁に行き、ツル子さんはひとりぼっちで暮らしました。優しかった隣家のおばさん、バナナを楽しみにしていた兵隊さん、お父さんの腕枕の思い出…。悲惨な戦禍の記憶とともに語られるのは、懐かしい故郷の風景と人びとのあたたかさ。ツル子さんの語りは、悲しいことがあっても、悲しさだけで埋め尽くされることはないということを教えてくれます。
さまざまな立場の書き手を著者に立て、ジャンルレスな内容の文庫シリーズ「シリーズ人間」第4弾。
発行:新世界
発行年:2026年
サイズ:134×106 mm
ページ:112p