泥沼の内戦下を独力で生き抜いた女性ルドの物語。長年のポルトガルの植民地から独立したアンゴラは、その後27年間にわたって内戦を繰り返す。恐怖に駆られ、襲撃を恐れたルドは、身を守るために自宅マンションの入口をセメントで固め、最上階に籠城する。そして一匹の犬とともに自給自足の生活がはじまる飢えと。飢えと恐怖と隣り合わせの日々のなか、ルドは日記を書いた。紙とペンを使い尽くすと部屋の壁に詩を書いて、部屋中の壁が言葉でいっぱいになったとき、微かな繋がりある人びとが引き寄せられるようにやってくる。進むために忘れようとし、生きるために忘れまいとする人間の本質を描いた、愛と赦しの物語。
発行:白水社
発行年:2020年
サイズ:四六判
ページ:276p