1994年にこの世を去った映像作家のデレク・ジャーマンは、晩年、イギリス南東部の岬ダンジネスに移り住みました。原子力発電所に面した荒涼としたこの土地で、漁師小屋を改装した住居「プロスペクト・コテージ」で暮らしながら、病に蝕まれた身体を抱え庭を育て続けました。
この本は、イギリスを拠点に活動していた写真家の奥宮誠次さんが、ジャーマンの元をたびたび訪れた際に撮影した写真が収録されています。
膨大にあったはずのフィルムは、ロンドンで開催予定だったジャーマンの回顧展へ貸与した際にすべて紛失してしまったため、奥宮さんの手元に残っていたわずかな写真で構成されています。残されたフィルムを一枚ずつリソグラフによって甦らせた、静かな優しさに満ちた写真集。
「彼はこの荒廃した地にボーダレスの独特の庭をつくりはじめた。この砂漠にこのような庭をつくるのは彼の挑戦だという。死に向かっている物を集めて、アートオブジェとして復活させ、楽園をつくろうとしているのだーー」
発行:NEUTRAL COLORS
発行年:2025年
サイズ:210×297 mm
ページ:22p