一枚の写真からこんなにも奥行きのある物語を想像することができる、そのことに驚かされます。 撮影者の名前も、場所も、時代も、言葉に置き換えられる情報が一切省かれた「迷走写真館」。36名の作品一点一点に目を凝らし、実際の現実ともまた異なる、写真の中の現実に没入することで生まれる、見ることの可能性。写真そのものの根源が輝き出します。写真を見るとはどんなことかを新たに示す、驚きのエッセイ。
表紙と本文にはフィリップ・ワイズベッカーによる絵があしらわれています。
発行:赤々舎
発行年:2023年
サイズ:188 × 128mm
ページ:168p