第二次世界大戦終戦後間近の夏、横須賀の野比海岸では特別な訓練が行われていた。海底から頭上を通過する敵艦隊に機雷を撃ち込むために、来る日も来る日海底に潜る彼らは、"人間機雷"と呼ばれた「伏龍特攻隊」だった。多くの殉職者・行方不明者を出しながら、終戦後には関わるすべての資料が焼却されたこの訓練について、作者は隊員たちが残した手記を頼りに写真を撮り、音を記録しました。
過去を辿り現在を捉えた写真と、1945年の記録、制作期間に作者が綴った日記を収録。フィールドレコーディングで集めた音をミックスした音源(7インチレコード)が付いています。
土地の持つ記憶と交信し、歴史の深部を現代の私たちの目前へと呼び起こす、それらが可視化されゆく様が心を震わせます。
人間は陸の生き物だ。
それなのに人びとは海に潜ってまで戦争をした。
海はそのころと変わらない
彼らが潜っていた海と、私が見ているのは同じ海。
海はすべてを見ていた。
過去はここにある。
未来もここにある。
波は沖から過去を運んできて、
波打ち際で私に未来を見せる。
発行:真珠出版
発行年:2025年
サイズ:191×191 mm
ページ:96p
*7インチレコード付き(A面 4:18/B面 4:07)