特別なことが起きているわけではない、あたりまえに目の前を通り過ぎていったものや何気ない光景。構図という枷から解き放たれたそれらの瞬間は、見る者にフレームの外側の世界をも想起させます。
常に不確実性を伴う現実のなかで、"かつてそこにいた"という事実を明らかにするような、自らの存在を確かめるような原さんの写真。その普遍的な風景の中に、何でもない日常の静かな余韻を感じます。
「カメラは見ているようで見ていない目の前の情景を切り取って、私に新しい発見をもたらす。撮ることで現れる断片を拾い集める。肯定でも否定でもない。」
発行:CHOSE COMMUNE
発行年:2022年
サイズ:230x270 mm
ページ:104p