父から生前に渡されたネガファイル。2013年に父が亡くなったあと、写真家の野口里佳さんは、自身の手でネガを日付順に少しずつプリントしていきました。
写されていたのは、家族、父が育てたバラ、風景。野口さんは父の視線をなぞりながらプリントする時間をとおして、人はなぜ写真を撮るのかという当たり前のことについて初めて考えたと記しています。
もう戻ってこない瞬間がネガに焼き付いていること。時間の隔たりを超えて伝わる写真の持つ力。人が写真を撮るという行為の不思議さ、瞬間を残したいと思う切実な営みがじんわりと伝わってきます。
発行:赤々舎
発行年:2022年
サイズ:276×216mm
ページ:72p