芸術を意味や主題から解放し、ものともの、ものと人の関係を問いかける作品を制作する美術家、李禹煥(リ・ウファン)。1960年代後半の、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる現代アートの動向のなかで、中心的な役割を担ってきました。
本書は、初期作品から、彫刻の概念を変えた〈関係項〉シリーズ、静かに繰り返される呼吸のような筆のストロークスの絵画など、代表作が一望できる作品集です。
もはや「禅」ともいえるような極限まで削ぎ落とされた関係性のありようは、見るものの思考をクリアにしてくれます。
発行:平凡社
発行年:2022年
サイズ:A4判
ページ:304p