どうにもならない現実、昇降する感情、その中でも立ち続ける著者を支えているのは、他ならぬ自身の言葉です。救いと安堵を求めて綴られた、私たちの胸の底も照らしてくれる小さな光のような言葉の数々。永田愛さんの第二歌集です。
森からは遠く離れている町の 森へとつづく道を知りたい
どのように生きてもたぶんかなしくてときおりきみの指が触れるよ
海の底に似ているだろう 回廊に声と気配がしずかにひびく
指の間をいつかこぼれるものとして声やあなたや水や季節は
発行:青磁社
発行年:2021年
サイズ:四六判変形
ページ:154p