





最初の日記本「プルーストを読む生活」に続き「マルクスを読む生活」を試みて失敗して、終わりの見えないパンデミックに弱り果て、政府や社会に対する不信感が募る中、すっかり読書の喜びや日記の書き方を見失ってしまった著者の柿内さん。
そんななか夢中になったスマホゲーム、映画やおいしいごはん、優しい家族に励まされてなんとか正気を保って過ごす日々のことが綴られています。(でもやっぱり本を読んでいます)
綴られる言葉に励まされながらも、鬱屈した日々を送る著者にエールを送りたくなる、アンバランスでいとしい生活の記録。
"ーー日々の生活というのは必要だけで埋まっているわけではなく、無駄や余剰にこそ燦く「よさ」が宿るのだと私は信じている。"
発行年:2022年
サイズ:182 × 128mm
ページ:221p