夏の日差し、夜の匂い、春の桜並木、海の青さ、澄んだ風鈴の音、故郷の石巻への想い。
熱を秘めたその眼差しの静けさ、ひとりきり、日々の景色を緻密に測っていくようなこれらの歌はどこか寂しい。けれども頼もしい。まっすぐに日々を重ねるひとりの人の輪郭が、ゆっくりと浮かび上がります。
自転車チューブの蓋を渡すから少し離れて見ていて欲しい
本を閉じそれから両の目を閉じて次の駅まではこばれてゆく
潜りつつひとつひとつと鍵を解くできるだけ暗い場所を探して
発行:書肆侃侃房
発行年:2022年
サイズ:四六判
ページ:160p