ある谷戸(なだらかな丘に挟まれた浅い谷)に建てられた一軒の茅葺き農家と、そこに暮らす家族のおよそ150年の移り変わりを、道端につくられた十六羅漢とともに定点観測で描く物語。
絵のもとになっているのは現在の多摩ニュータウン地域。
薪割り、炭焼き、田植え、収穫、夏祭り、終戦。束の間のおしゃべりを楽しみながら村人たちは毎日の暮らしに精を出します。
そして、やがて押し寄せる開発の波。あらゆるものを変えていく時代の大きな波。けれども繰り返される命の営みに変わりはありません。
いま私たちが暮らす土地はかつてどんな風景であったか、どんな暮らしが営まれていたかに想いを馳せたい一冊です。
発行:偕成社
発行年:2020年
サイズ:22mm×31mm
ページ:40p