「猫だって、いろいろと悩むことがあるだろう。もし悩みがあるとすれば、ちゃんと解決しているのだろうか。
ーーでも、きょうは目を細めて笑っているように見える。きっといいことがあったのだろう。」
なかえよしをさんのそんな優しい視点で描かれた、子猫の兄弟たちと暮らす仔犬のおはなし。
猫のお母さんに拾われて猫の兄弟たちといっしょに育てられた仔犬のジョン。大きくなるにつれ、ほかの兄弟と自分が少しだけ違うことに気がついたジョンは、悲しくなって家出をします。
子どもの頃のすぐ近所までの家出が大きく世界を変えるように、少しずつ広く大きくなっていくジョンの世界。
上野紀子さんのかわいらしいイラストが独特の雰囲気を醸す、今もかがやく絵本です。
1979年に出版され版を重ねられてきたこの絵本は、今年ふたたび復刊されました。
発行:金の星社
発行年:2020年
サイズ:235×245mm
ページ:32P