



出版社で営業職を勤める著者の日常を綴ったこの本には、輝くようなときめきや、心踊る出会いばかりではない、堪え切れないほどの喪失や悔恨が訪れたとき、それでも果敢に毎日を生きるひとりの人の、かけがえのない日々の記録があります。
筆者のウォークマンから流れているのはヒップホップでしょうか。と思わせるようなテンポのいい文体でつづらるエッセイは、些細な出来事のつながりが、確かに日々を構築していることを思いださせてくれます。
「本を読む行為はある面では閉ざされたものではあるけれど、共有するこたはできる。それを通じて出会ったひととは、ゆったりした歩幅であっても長い距離をともにできる。」
発行:十七時退勤社
発行年:2019年
サイズ:A5判
ページ:86p