







眠れぬ夜の大人たちと、夜明けの子らのために。
と記されたこの本は、7編の童話と全集未収録の詩一編を収めた〈童話集〉と、民喜文学への想いを綴ったエッセイ集〈毱〉の2冊組で構成されています。
民喜の人生はけっして愉快なものではありませんでしたが、童話の中には、些細な心象をなんとも楽しく不思議に描いた世界が広がっています。
薄紺色の函に収められた本のすがたは、澄明で寡黙な民喜そのもののように思えます。
「星の光はだんだん、はっきり見えて来ます。
空がこんなに深いのを羽子は今はじめて知りました。
一つ一つの星はみんな、それぞれ空の深いことを考えつづけているのでしょう。」
発行:イニュニック
発行年:2017年
サイズ:A5判変型
ページ:90p/122p (2冊組)