スペイン・カナリア諸島に暮らす、十歳の「わたし」と親友のイソラの夏休みの物語。ふたりの少女は曇天に覆われた貧困の街で、退屈しのぎのために危うい遊びに手を染めていくーー。
「わたし」にとってイソラは憧れだった。まるで聖女のような絶対的な存在だった。彼女のためなら何だってできた。空を覆う厚い雲、ひとりでは超えられない地区の境界、狭い人間関係。閉ざされた場所で営まれる少女たちの、あまりに壊滅的で隠微で、汚物と頽廃にまみれた日常と友情。時に詩的な情景描写と自壊する文体が、美しくも優しくもない世界に鮮烈な光を放つ、圧巻のオートフィクション。世界18カ国語に翻訳された問題作。
発行:国書刊行会
発行年:2025年
サイズ:四六判
ページ:208p