サイズ、色、濃度を決めて印画紙に焼き付け、薬液に通して定着させる。この工程の試行錯誤を繰り返すなかで、撮影した物事や感覚と向き合うという写真家の幸本紗奈さん。曖昧でぼんやりとしたこれらのイメージは、まるで思考の過程を現しているようです。対象を見つめながらも自らの内面へ深く潜っていく、形容し難い美しさが心を捉えます。
素晴らしいブックデザインは、アートユニットguse arsとしても活動する村橋貴博さんによるものです。グレイッシュな桃色の表紙が幸本さんの写真と共鳴します。
発行:Baci
発行年:2020年
サイズ:A4判変形
ページ:48p