三つの春と書く美しい名前がつく町、三春。
この町をいっしょに散策している気持ちになれるこのエッセイは、日常といういつもの日々が、小さな自分と計り知れない大きな物事とのあわいが、こんなにもきらめいていることを思い出させてくれます。
凍み大根、蛍、盆踊り、干し柿、朝の散歩…
なにげない日々のニュースが、どうしてこんなに切なく響くのでしょう。春の風が吹き抜けるような軽やかで優しい言葉たち。繊細でありながら揺るぎない素描が、わたしたちを励ましてくれるようです。
過不足のないうつくしいハーモニーを奏でる造本・装幀はサイトヲヒデユキさんによるものです。
発行:信陽堂
発行年:2021年
サイズ:四六判変形
ページ:216p