






がいこつさん、気になることがあって眠れません。
外に出たら何か思い出すかもしれないと、散歩にでかけます。
街をあちこち歩いて疲れたころ、鏡に映った自分を見たがいこつさん、ついに忘れていたことを思い出します。
五味太郎さんの作品ではめずらしく青を基調とした画面。
ユーモアとともに少し切ない静けさが立ち込める名作絵本です。
手紙を出すのを忘れていたかな。
まさか。最後の手紙、もうとっくに出しちゃったじゃない。
ーーそれもそうだな。
誰かがどこかで待っているの忘れていたかな。
いやいやもうそれはない。
たしかに待っていたひともいたけれど、それはもうずっと昔の話。
ーーそれもそうだな。
発行:文化出版局
発行年:1982年
サイズ:A4判
ページ:32p