まぶしい海、暗い海、寂しい海、思い出の海。波の音や貝殻や砂や生き物たち。ページを開くとそれぞれのとっておきの海が広がります。
同時代の歌人100人がうたった100歌の短歌アンソロジー。初めて短歌に触れる人にもおすすめの一冊です。
「月のうた」とあわせてどうぞ。
https://kyoku-sen.com/items/66dc0856fe926020bd88833f
ある朝は網にかかった電車ごとみんなで海に帰りたいです (盛田志保子)
テーブルの上に魚が死んでいてここは海底だったと気付く (鈴木晴香)
机にも膝にも木にも傷がありどこかで海とつながっている (江戸雪)
いつか くる おわりを みないで すむように さかなは うみから でませんでした (多賀盛剛)
波打ち際の泡すくい上げ手のひらに小さな海の呼吸が終わる (近江瞬)
心電図の波の終わりにぼくが見る海がきれいでありますように (木下龍也)
発行:左右社
発行年:2024年
サイズ:B6版変型
ページ:136p