




タイトルの「koro」は、エスペラント語で「心臓」を意味する言葉です。その名のとおりに脈打つ心拍をすぐそばに感じる330首。死と諦念と絶望の中にある一握の光と稀有な美意識が、歌を重ねる毎に美しく神秘的な世界を構築していく。まるで、古びた大きな城が静かに崩れ落ちるまでの時間を見守るように。
ロングドレスをそうするように魂をたくしあげつつ死までを行こう
海底に沈むさまだけ見たいから君が払っている対価ごと
霙ふる ずっと心に留めている地図があるなら破ってみせて
まざまざしい建前ならば愛そうか。聡明なまま暴徒と化して
発行:書肆侃侃房
発行年:2023年
サイズ:四六判
ページ:208p