「ノイズの向こう側にあるこの沈黙という概念は魅力的だったーー」
アンビエントミュージックやフリージャズ、エレクトロニカの境界線を壊し、更新し続ける異才の音楽家であり評論家、キュレーター、作家、教師でもあるデイヴィッド・トゥープ。
本書は、稀代のひとりの音楽家の個人的な記録であるとともに、あまり語られることのないイギリスの実験音楽史の貴重な証言、ディスクガイド、芸術に対する批評など、幾重ものレイヤーによって構成されています。
音楽の既存の枠組みを超えること、音の体験について人類学的観点から考えること、今までにない音を生み出す楽器を作ること。そしてさまざまな録音物。異なる叙述がクロスフェードし広がっていく様は難解というより独特で、派生していく空気の振動を感じさせます。音の中に生き続ける著者初の自伝。
発行:DU BOOKS
発行年:2017年
サイズ:四六判
ページ:320p