







写真による造形の実験を重ね、独自の抽象表現を拓いた山沢栄子さん。
ざらりとした粒子と鈍いカラー、被写体のフォルムとポジショニングの妙が美しい作品の数々はもちろん、女性が自由に表現活動をすることが難しかった時代の日本において、写真家、作家として自立したキャリアを追求し、それを実践した彼女の生き方そのものも大きな魅力です。
1970〜80年代に手がけたカラーとモノクロによる抽象写真シリーズを中心に、戦前のポートレイト作品、疎開中のスナップ、アメリカ近代写真との関連資料などを収載する決定版。
日本の写真の流れとは異なる地平で創作を続けた、ひとりの芸術家の歩みを辿る作品集です。
発行:赤々舎
発行年:2019年
サイズ:204 × 297mm
ページ:224p