人の中心は情緒にあるーー 天才数学者と言われた岡潔さん。数学から遠く離れているようにみえる「情緒」の大事を説いています。 生命、霊性、心の探究、人間の探究、といった根源的なものに触れる学問としての、いっさいの「加工」から遠のくための学問としての、数学。日本の将来を危惧し、仏教へと傾倒していった学者は、独特で突飛でどこか可愛らしくもあります。 情緒とは何事かを立ち止まって思考したい、目の覚めるような随筆です。 ーーしかし、数学というのは闇を照らす光なのであって、白昼にはいらないのですが、こういう世相には大いに必要となるのです。闇夜であればあるほど必要なのです。 発行：平凡社 発行年：2015年 サイズ：B6判変形 ページ：216p