





僕もみんなみたいに恋愛を楽しめたらいいのに、と思う七森。こわがらせず、侵害せず、誰かと繋がりたいのに。
他者という容体にぶつかることで初めて自分の輪郭がわかるように、コミュニケートすることは痛くてこわい。
やっと少しだけすすんで、またぶつかって転んで、それでもどうにか前に行こうとする、息苦しさと滲む希望、混乱した思いを描いた4つの物語。自分の境界線がぐにゃぐにゃと形を変えていくような感覚に、胸が締め付けられます。
発行:河出書房新社
発行年:2020年
サイズ:四六判
ページ:176p